후리가나로 읽는 일본 고전
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(一)(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 231,525자 · 463화면
「……もしや、この武蔵というお方は、美作の吉野郷の人ではないかえ」
「そうだよ、おらは播州、お師匠さんは宮本村、隣り国なんだ」
「――そして、背の高い、男らしい、そうそう髪はいつも月代を剃らないでしょう」
「よく知ッてるなあ」
「子どものとき、頭に、疔という腫物をわずらったことがあって、月代を剃ると、その痕が醜いから、髪を生やしておくのだと、いつか私に話したことを思い出したの」
「いつかって、何日?」
「もう、五年も前。――関ヶ原の戦があったあの年の秋」
「そんな前から、おめえは、おらのお師匠様を知ってんのか」
「…………」
朱実は答えなかった。答える余裕もなく彼女の胸はその頃の思い出の奏でに高鳴っていた。
(……武蔵さんだ!)
身もおろおろと会いたさに駆られてくるのである。母のすることを見――又八の変り方を見て来て――彼女は自分が最初から心のうちで、武蔵の方を選んでいたことが間違いでなかったことに、愈信頼を深くしていた。ひそかに自分の独り身を誇っていた――あの人は、やはり又八とはまるで違うと。
そして、処女ごころは、茶屋がよいの幾多の男性を見るにつけ、自分の行くすえは、こんな群れにはないものときめ、それらの気障な男たちを冷蔑し、五年前の武蔵の面影を、ひそかな胸の奥において、口誦む歌にも、ひとりで末の夢を楽しんでいた。