후리가나로 읽는 일본 고전
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(一)(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 231,525자 · 463화면
般若野
一
般若野
一
「城太郎」
足を止めて、武蔵が振向く。
「はい」
城太郎は眉をびりっとさせた。
奈良の町はもう後ろだった。東大寺ともかけ離れている。月ヶ瀬街道は杉木立のあいだを通って、その杉の樹の縞のあいだから見えるものは、やがて近い般若坂にかかるなだらかな春野の傾斜と、それを裾にして右手の空にふくらんで乳房を持っているような三笠山の胸のあたりがここからは近い感じである。
「なんですか」
ここまで、七町あまり、ニコともしないで、黙々と尾いて来た城太郎であった。一歩一歩が、冥途とやらへ近くなる気持なのだ。さっき、湿々として、うす暗い東大寺の横を通って来た時、襟元にポタリと落ちた雫にも、きゃっと思わずいってしまいそうな驚きをしたし、人間の跫音に怖がらない鴉の群れにも、いやな気持がして、そのたび武蔵のうしろ姿も影がうすく見える。
山の中へでも、お寺の内へでも、隠れようとすれば隠れ込めないことはない、逃げようと思えば逃げられないことはない。それを何でこうして、宝蔵院衆が行ったという般若野のほうへ、自分から足を向けてしまうのだろうか。
城太郎には、考えられない。
(行って、謝る気かしら?)