후리가나로 읽는 일본 고전
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(一)(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 231,525자 · 463화면
三
虚空と聞えたのは、それが武蔵の口から発したというよりは、彼の全身が梵鐘のように鳴って四辺の寂寞をひろく破ったせいであろう。
「――ちいッ」
唾するような息が、相手の口をついて走った。四名は四本の刀をならべて、車形になった。武蔵の体は蓮の花の中にある露にひとしかった。
武蔵は今、ふしぎに自己を感得した。満身は毛穴がみな血を噴くように熱いのだ。けれど、心頭は氷のように冷たい。
仏者のいう、紅蓮という語は、こういう実体をいうのではあるまいか。寒冷の極致と、灼熱の極致とは、火でも水でもない、同じものである。それが武蔵の今の五体だった。
三
砂はもうそこへ降って来なかった。城太郎はどこへ行ったか。忽然と影もない。
――颯々。颯々。
まっ暗な風が時折り、笠置のいただきから颪ちてくる。そして、容易にうごかないそこの白刃を研ぐように吹いて、ビラ、ビラ、と燐のように戦ぎを闇の中に見せる。
四対一である。けれど武蔵は、自分がその一の数であることは、さして苦戦をおぼえない。
(なんの!)
と、血管が太くなるのを意識するのみであった。
死。
いつも真っ向から捨てようとしてかかるその観念も、ふしぎと今夜は持たない。