후리가나로 읽는 일본 고전
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みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 185,809자 · 369화면
藤次が責めると、
「また、あんな……」
と、お甲はうらめしげな眼をこらして、泣きたいような顔をして見せる。
彼女のいい訳は、こうだった。
藤次から飛脚を受け取ると、彼女は勿論、自分だけで大坂へ来るつもりだった。ところが折わるく、吉岡清十郎がその日もまた、六、七名の門人を連れて「よもぎの寮」へ飲みに来て、いつのまにか、朱実の口から、そのことを聞いてしまい、
(藤次が大坂へ着くなら、わしらも迎えに行ってやろうじゃないか)
といい出した。それに調子をあわせる取り巻き連も多く、
(朱実も行け)
と、いう騒ぎになってしまい、いやともいえずお甲は一行十人ほどの中に交じって住吉の旅館に落着き、一同の遊んでいる間に、自分だけ一人で駕を持ってここへ迎えに来たのだという。
――聞いてみれば、事情はやむを得ないものだったが、藤次は腐りきってしまった。今日という日に迷信がわき起るほど、何か、後にも先にも、不愉快ばかりが考えられた。
第一、陸を踏むとすぐ、清十郎だの同輩だのに、旅先の首尾を聞かれることが辛い。
いやもっと嫌なことは、この頭巾を脱ぐことである。
(何といおう)
彼は、髷のない頭を苦に病んだ、彼にも侍というものの面目はある。