후리가나로 읽는 일본 고전
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みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 185,809자 · 369화면
もうその時は梅軒にも、彼女が武蔵と何らかの交渉のある人間に違いないということは考えられていた。武蔵を追う方にも気が急かれるが、お通を見のがして行くことも忌々しい。
崖を駈け下りて、
「どこへ?」
うめきながら、梅軒は、そこの百姓家のまわりを大股に廻って歩いた。
「どこへ失せやがったか」
縁の下をのぞいたり、納屋の戸を開けたりしている彼の狂人みたいな態を、せむしのような農家の老人が糸車の蔭から恐怖にすくんで見ているだけだった。
「ア! ……あんな方に」
やがて彼は見つけた。
ふかい檜の沢には、まだ谷の雪が残っている。その渓谷へ向ってお通は、檜林の急な傾斜を、雉みたいに逃げ下りていた。
「いたなッ」
梅軒が上からこういいかぶせると、お通は思わず振りかえった。土の崩れて行くよりも早く彼の姿は、お通のうしろへ接近していた。彼の右手には拾いあげた白刃がそのまま持たれていたが、相手をそれで斬り倒す意思はなかった。武蔵の道づれでもあれば、武蔵をつかまえる囮にもなろうし、武蔵の行く先を訊けるかとも考えたのであろう。
「阿女っ」
左の手をのばして、その指先は、お通の黒髪に触れた。