후리가나로 읽는 일본 고전
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みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 185,809자 · 369화면
従って、辞句も詩のように口で唱え易いことが必要であった。
そのためか、彼は、苦吟して、
われ何事にも……
という修辞を、
われ事において
と書き改めた。
「われ事において悔いまじ――」
口のうちで呟いてみたが、武蔵は、まだ自分の心にぴったりしないものか、終りの文字もまた消してしまい、こう改めて、筆を投じた。
われ事において後悔せず
最初のは「悔いまじ」であったが、それではまだ弱いと考えられたのである。「――せず」でなければならない――われ事において後悔せず!
「よし」
武蔵は、満足した、そして胸に誓った。何事にも自分の為したことに後悔はしないというような高い境地へまで到達するには、まだまだこの身を、この心を、不断に鍛え抜かなければ及びもない望みとは思うのであったが、
(必ずそこまで行き着いてみせる)
と、彼は自分の胸の遠いところへ、理想の杭を打って、堅く信念するのだった。
――折ふし、うしろの障子が開いて、寒げな叔母の顔がそこを覗き、
「武蔵……」
と、歯の根で呟くようにふるえを帯びた声でいう。
「虫の知らせじゃ、なんとのう、そなたを止めておくのは気がかりと思うていたら、案のじょう、時も時、今、本位田家のお杉隠居が門をたたき、玄関に脱いであるそなたの草鞋を見つけて、武蔵が訪うて来たであろう、武蔵をこれへ出しやれといい