후리가나로 읽는 일본 고전
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
吉川 英治의 新・水滸伝(しん・すいこでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 684,899자 · 1374화면
陽もすでに黄昏れごろ、智深は、天雲を降りて天雲へ帰るがごとく飄々とひょろけつつ五台山へもどっていく。途中でぶつかりかける男女を見ると、彼らの逃げまどう姿へ、哄笑を撒きちらして。
「わはははは。さあ、智深さまのお通りだぞお通りだぞ。酔いどれには天子さまも道を避けるという諺があるのを知らんか。さあ、退いたり退いたり」
翌朝のことである。――といっても、五台山五峰の西にはまだ影淡き残月が見え、地には颯々の松原がやっと辺りを明るみかけさせて来た頃だった。
「うう寒い。……おや、おやおや。わが輩はどうしてこんなところに眠っていたのか」
智深はわれを疑って、むっくりと起きた。寒いはず、石だたみの上で寝ていたらしい。しかも自分が抱いて眠っていたのは、自分の二倍もある巨きな仁王像だった。山門の仁王様に相違ない。
ふと仰ぐと、日ごろ見なれたそこの仁王門は颱風の跡みたいに、見るも無残に破壊されており、もう一体の仁王像も、常に居るところには見えなかった。だんだんそこらが白んでくるにつれて、仁王の手やら首やらまた瓦だの玉垣の破片などが、惨として、智深をつつんでいることがわかった。