후리가나로 읽는 일본 고전
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みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 185,809자 · 369화면
といったような土地自慢は、その国へ足を入れると必ず聞かされるところであるが、変なてめえ自慢から比べればよほど耳ざわりがよいし、また見物の参考にもなるので、今も、桑名の城下から垂坂山へかかって来る道中馬の上にある旅人は、
「なるほど、なるほど」
と、馬子のそうしたお国ばなしをあえて遮らずに、頷いて聞いていた。
時は十二月の中旬で、伊勢は暖いにしても、那古の浦からこの峠へくる風は相当に肌寒いが、駄賃馬に乗っている客は、奈良晒のじゅばんに袷一重、その上に袖無羽織をかけてはいるが、怖ろしく薄着であるし、うす汚い。
笠をかぶる必要もないほど陽焦けのしている真ッ黒顔に、これもまた、往来へ捨てても拾い人がありそうもない古笠をかぶっているのだ。髪は幾日洗わないのか鳥の巣みたいにもじゃもじゃしていて、ただ束ねてあるというだけに過ぎない。
(駄賃がもらえるかしらて?)
と馬子は内心で、心配しながら乗せた客だった。それに行く先がちと辺鄙な、帰り客のきかない山間ではあるし……と。
「旦那」
「む? ……」
「四日市で早めの午、亀山で夕方、あれから雲林院村へ行くと、もうとっぷり夜になりますだが」