후리가나로 읽는 일본 고전
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みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 185,809자 · 369화면
叔母の良人は、近衛家に勤めていて、禄のひくい小侍だと覚えている。吉田山の下ですぐ知れるかと思って来たところが、来てみると、同じような家構えがたくさんあって、家の小さい割にみな木立の奥に、蝸牛のように門を閉め、門札も出ている家もあり、ない家もあるという有様なので、知れ難いし、訊くにも訊き難い。
(もう、変っているに違いない。よそう)
武蔵は、あきらめて、町のほうへ戻りかけた。町の空には、夕靄がこめて、その靄が、年の市の灯りでうす赤く見えるのだった。
大晦日の夕ぐれである。どことなく騒音のある洛内だった、すこし人通りの多い往来へ出ると、人間の眼も、跫どりも、違っている。
「あ……?」
武蔵は、すれ違った一人の婦人へ振り顧っていた。もう七年も八年も見ない叔母であるが、たしかに、母方の播州佐用郷から都へ嫁づいたというその女にちがいない。
「似ている」
とはすぐ思ったが、でも念のため、しばらく後へ尾いて行きながら注意していると、四十ぢかい小がらなその婦人は、年の市の買物を胸にかかえ、先刻、武蔵がさんざん家をさがして歩いた淋しい横道へ曲ってゆく。
「叔母御」
武蔵が呼ぶと、その婦人は、怪訝な顔して、しばらく彼の顔やすがたをまじまじ眺めていたが、やがて非常な驚きを、常々の無事と小さな家計に狎れて年のわりに萎びているその眼もと