일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

吉川 英治의 宮本武蔵(一)(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 231,525자 · 463화면

아오조라 문고

それッと、誰か叱咤した。四方の建具がぐわらぐわらと一度に鳴りを立てて暴れた。

「やっ?」

「いないぞっ」

「いないじゃないか」

急に強がった声が揺れている燈火の中で起った。つい今し方、ここへ燭台を門人が運んで来た時はまだきちんと坐っていたというその敷物はある、火桶はある、また飲まないまま冷えている茶もあるのだ。

「逃がした」

一人が縁へ出て庭へ伝える。

庭の暗がりや床下から、むらむら寄って来た人影が皆、地だんだを踏み、見張人の不注意を罵った。

見張をいいつかっていた門人たちは、口を揃えて、そんなはずはないという。いちど厠へ立つ姿は見たが、すぐ部屋へもどったきり、武蔵は断じてこの部屋を出ていないといって不審かる。

「風ではあるまいし……」

その抗弁を嘲殺していると、

「あっ、ここだ」

戸棚へ首を突っこんだ者が、剥がれている床の穴を指さした。

「燈火がついてからといえば、まだそう遠くへは走っていないぞ」

「追え、追打ちに」

敵の弱身を測って急に奮いだした武者ぶるいが、小門、裏門をどっと押して、外へ散らかった。

すると直ぐ――いたッと叫ぶ声がながれた。表門の袖塀の蔭から弾かれたように一つの影が、往来を横ぎって向うの小路へ隠れたのを、声と共に、誰も見た。