후리가나로 읽는 일본 고전
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 探偵夜話(たんていやわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 140,363자 · 277화면
」
古河君はすぐに飛び起きて、宿のどてらのままで縁側へ出ると、まばらにあけてある雨戸のすきまから外一面が真っ白にみえた。雪はゆうべのうちによほど降り積もったらしく、軒さきに出ている槙の梢もたわむほどに重い綿をかぶっていて、正面にみえる坂路の方からは煙りのような粉雪が渦をまいて吹きおろして来た。このあいだから毎日の雪に責められつづけている古河君は、この景色を見ただけでもううんざりしてしまった。いっそきのう真っ直ぐに東京へ帰ってしまえばよかったと悔みながら、彼はどてらの袖をかき合わせて階段を足早に降りていった。
店の帳場へいって、毛皮紛失の一件を報告すると、主人も番頭もおどろいた。一と口に狸の毛皮といっても、それが百八十円の品と聞いてはいよいよ打っちゃっては置かれなかった。当時はここらも商売がひまなので、夏場にくらべると男女の奉公人の頭かずが非常に減っている。帳場の番頭ひとりと若い者が一人、ほかに料理番二人と風呂番が一人、座敷へ出る女中はたった二人っきりで、いずれも身許の確かな者ばかりである。夏場繁昌の時季になると、渡り者の奉公人も随分入り込むが、現在のところではそんな疑いをかけるような者は一人もいない筈であると主人は言った。