후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 192,758자 · 383화면
十六日といえば、彼が信長の死を知った四日の日から数えると、十二日間を費やして来たことになる。何ぞ知らん、中国で毛利と対していた秀吉は、京都の飛報を入手した点では、勝家より一日程早かったにちがいないが、四日には毛利と和議の誓紙を交わし、五日そこを発し、七日姫路着、九日には尼ヶ崎へ向い、そして十三日には山崎の一戦に光秀を討ち、今頃はもう洛中近畿にわたる残兵の掃討から、戦後の布令まで掲示し終っていた時分であったのだ。
越中から京都への道と、備中高松からの道とでは、多少道路の嶮や距離の差に長短はあるにしても、秀吉が対していた局面と、勝家が向っていた戦局とでは、比較にならない難易があった。勝家の立場のほうがずっと有利であったことはいうまでもない。全面的転進を計るにも、戦場から離脱するにも、秀吉の場合よりは遥かに変じやすい事情にあったものを――なぜこう手間どって来たろうか。――要するに勝家の“自重万全”の観念が、この貴重なる“時”を代価としてあたら費やされて来たものというしかない。
かたがた、余りに彼が百戦の老巧だけに、その自信と体験が、いよいよ思慮分別の殻を厚くし、今次の如き天下一変の大転機に当っては、却ってそれが疾風的行動の邪げとなっても、常套的な作戦変更という形式からついに一歩も飛躍し切れなかったことの一因