후리가나로 읽는 일본 고전
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
吉川 英治의 江戸三国志(えどさんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 577,271자 · 1141화면
どうしてこの鉄格子の境を越えてはいれるものじゃない」
「いいえ、この鉄棒の二本はいつでもとれるようになっています。切支丹族の者は絶えずこの鉄窓の中と秩父の山の間を往来しているのでございますよ。ですから、私は何度捕まっても、決して自由を縛られてはおりません」
そういっているうちに、ヨハンはいつのまにか鉄窓の一部に二尺四方ぐらいな口を作って、お蝶をそこへ引き入れました。
石室の中は八畳ぐらいな広さで、横に黒布の帳を垂れ、帳の奥は二坪ばかりな板敷で、ヨハンが八年間使い馴らした椅子、食器、寝具などのほかに、馬糧小屋のようなワラがいっぱい敷いてある。
ただ明りだけはありませんが、それも外から射す雪明りで、さのみ不自由はなく膝を容れる事ができる。
ヨハンはお蝶の凍えきッた手を自分の人肌に暖めて、
「もう此処を出ては危険です、ヨハンのそばを離れてはいけません。あなたの身には、宗門役人の眼、怖ろしい凶賊の眼、野心の眼が光っています」
「じゃヨハン、私はいつまでもここに居てかまわないの」
「石室の奥に居れば、山屋敷の役人でも、気のつく気づかいはありません。欲しい物は、時折ここへ忍んで来る切支丹族の者にいいつけてやれば、何でもととのえてまいります」