후리가나로 읽는 일본 고전
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
吉川 英治의 江戸三国志(えどさんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 577,271자 · 1141화면
「それッ、早くしろ」
ねじ伏せたお粂の口を布でしばりつけると、手を取り足を取りして、大の男が四天にかつぎ、
「飛んだ世話をやかせやがる」
渦になって一散に走り出ようとしましたが、四ツ目屋の新助は先に立って、
「ほい! 道が違うぞ、こッちだこッちだ」
「宿じゃあねえんですか」
「古々井の森を抜けて山越えにかかれ」
と、辻を北へ曲がろうとした時に、何を見たのか、ひとり横ッ飛びに、
「野郎!」
と怒鳴って紙屋の辻の方へ駆け出したのは雲霧です。
見るとかれの真ッ先へ猫に追われた鼠のように駆け出してゆく男がある。それはさッきから辻の一方にジッとかくれていて、つぶさに事のなりゆきを窺っていた手先の伝吉でしたが、脱兎のごとく身をまろばして行くそのうしろから、踵を蹴って追いついた雲霧が五体の弾力を拳に集めてかれの背骨を突きのめしたかと見えますと、
「わッ」
といって伝吉は、前の方へ身を泳がせ、角の石塀にその勢いで額をぶつけたらしく、鼻血を抑えたまま小溝の縁へ倒れました。
小気味よげに嘲笑って雲霧がそこから影を消してから、いくばくの時も経ぬうちでした。――なるべくゆるりと帰った方がよかろうと考えて、湯前神社の方から沈みがちな金吾を連れてそこへ近づいて来た釘抜きの勘次郎。