후리가나로 읽는 일본 고전
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
吉川 英治의 江戸三国志(えどさんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 577,271자 · 1141화면
「なに、不義をしたと?」
「おれが囲っておいた妾のお粂に、たれの許しをうけて手を出したか。熱海の藤屋にかくれていたあのざまが不義でないか! それでも蔭間侍でないか」
「ウウム……」
と、唇をかんだ金吾は、るような彼の声に、歩足の自由を奪われたかの如く、まッたく色を失いかけました。
「どうした! 蔭間侍」
冷然と、そしてまた、鋭いものは、対岸に立った仇敵の嘲蔑です。
彼はさらに、皮肉きわまる口をひらいて、顔色蒼白となった金吾をながめながら、
「強って、望みとありゃあ、いつでも相手に立ってやるが……ただし! 貴様が最前からほざくように、主家の仇とか、武士の意気地とか、侍らしい名分を口にするなら、まずその前に、きたない不義の名を洗って、お粂とのいきさつを片づけて来るのがほんとだろうと思うが、どうだ金吾!」
「…………」
「おれのことばが違っているか」
「むッ……」
「犬!」
「…………」
「蔭間!」
「フウ……」
「よも、返辞はできまい。それとも、貴様の口ぐせにいう大義名分を引ッ込めて、おれを逆恨みの女讐に、その女くせえ手で、来の了戒を抜いてみるか――」
言々句々、毒をふくむうちに明白な理をもって、るが如きかれの罵倒に、金吾の真ッ正直な理性と血気とは、グッと返辞につまッたまま、目のくらむような恥辱をおぼえました。