후리가나로 읽는 일본 고전
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
吉川 英治의 江戸三国志(えどさんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 577,271자 · 1141화면
翌日も同じ山の旅。
次の日もおなじ山の旅でした。
その間に、左右の空に見た山をかぞえてみますと、源次郎岳、大菩薩、鈴庫、倉掛、乾徳山、みな一見識をもって、甲武のあいだに山脈をなしています。
こうして、一行が、この往来で難所の名のある、雁坂峠を越えてほっとした日の午後であります。
「おや、煙が見える」
「めずらしいな、人間が居るんだぜ」
と、雲霧と四ツ目屋が、顔を見合せて意味もなく笑っている。
ずいぶん、人を人と思わない雲霧なども、こんどの旅ではまったく人間が恋しくなっていました。あの信玄の隠し湯を出てからでさえ、まだ飛脚屋や炭焼などにも、ひとりも出会っておりません。そこで暫くの間は、あなたの空に立っている煙が、ひとつのたのしみとなって、部落があるのか、それとも炭焼のたむろか、猟師の小屋か、などとしきりに皆の空想の目標になる。
「久しぶりで、今夜は、あったかい蒲団で、あったかい御馳走にありつけそうだ」
と、雲霧が早くもそれを当てにするものですから、四ツ目屋の新助は、からかい半分に、
「だが雲霧。もしかして、山目付なんていう、役人などが居たひには、とんでもねエ御馳走を食うだろうぜ」