후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
吉川 英治의 江戸三国志(えどさんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 577,271자 · 1141화면
また、不思議なことには、そこに居る無数の人間は、光のない沼の目なし魚みたいに、ウヨウヨうごめいておりながら、話しもしなければ笑いもしない、また同じように、泣きもしません。
この生ける墓場の新米である雲霧は、初めのうちはそれを妙に思っていましたが、日が経つに従って、身をうごかすことも、考えることも嫌になって、まったく話をする意慾などは、日ましにどこかへ薄れてゆく自分自身に気がつきました。
その証拠には、第一、こんな時には一心同体な気持になって、互いに励まし励まされる唯一の対象となり合わなければならない筈の四ツ目屋の新助とも、だんだん口数をきかなくなりました。
新助もまた口をきいて来ない。そばにいた体がさわる事があっても、ぐんにゃりとして身をよけるだけです。
どうもこんな暗やみに息だけを吸わせて人間を生かしておくと、精神的にも生理的にも、おそろしい退化がからだの内部に起ってくるようです。すべての意慾は眠ってしまい、思判力は失われ、視覚は無能になり触覚は魯鈍になり、脳の中枢はやがて支配する神経に気をつかう必要がなくなって、ただ頭のなかに詰まっている不用物体となってどろんとしておるだけのようです。