轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页
人を殺しに行こうとしている俺が、こんなめめしい感傷に溺れていいのか。なっちゃねえぜ。そう思っても、俺の網膜に焼きついた子供の姿は消えなかった。あのガキもやがて大きくなると、このハゲ山の朝鮮では食えなくて、内地に流れてきて苦労するのか。
東京の街で、
「アメ、アメ、朝鮮アメ」
と頼りない日本語を言って、朝鮮人参を入れたアメで、子供相手の大道商売をやっている朝鮮人が眼に浮ぶ。手製のチャチな屋台みたいなものを肩から釣って、街を流しているが、あれでどれほどの稼ぎになるのだろう。
「玄米パンのほやほや……」
そんなことを言って、安いパンを売り歩いている朝鮮人もいた。
福井大将の暗殺計画のとき、俺はダイナマイトを手に入れるため、飯場にもぐりこんだことがあるが、土方になった朝鮮人はもっとみじめだった。
あの朝鮮人たちはみんなこういう田舎から出てきたのだろう。鮮人とさげすまれながら、異国で苦労するよりは、ほんとはこういう故郷で暮したいのだろうに……。
俺は尾垣大将などを狙撃するよりは、この不幸な朝鮮人たちの解放を考えたほうがいいのじゃないかと、そう思いつきそうだったが、そこまでは思い至らなかった。