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いやなかんじ

いやな感じ

高見 順

「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页

青空文庫

その五 暴動計画

「その期間は、ちょうど砂馬さんが行ってた間だ」

「ケシには花が赤いのと白いのとがあるが、阿片を取るケシは白い花のほうだ。森の奥に、ぽっかりと白い花畑があって、すごく綺麗なもんだ」

「なんだって砂馬さんは阿片などに目をつけたんだ。儲かるからか」

「それだけじゃない。儲かることも、すごく儲かるがね。この話は誰にもしゃべっちゃ、いけねえ。いいか。慷堂先生にも、これだけは極秘だ」

と砂馬は険しい表情で釘をさした。

その五 暴動計画

蹶起計画にこの砂馬は参加していなかった。前の三月事件のときも、内地を留守にしていた砂馬はそれと無関係だった。そのため今度も参加できなかったのか。

今度の蹶起計画には慷堂も参画していたのだから、砂馬にもしその気があったら、当然参加できたのである。それを砂馬自身が参加しようとしなかったのである。

慷堂に会ったとき、どうして砂馬は参加しないのだろうかと、俺が言うと、

「あれはなかなか利口な男だ」

にがにがしそうに慷堂が、

「猪沢市太郎と同じ口かもしれんな」

「猪沢さんにハルビンで会ったそうです」

「おや、そうか。そいじゃ、もうすでに猪沢の仲間入りをしたのか」