轻松读懂日语经典作品
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页
上海はヤバイと言っといて……」
「支度金」らしくちゃんと紙で包んだ金を、出してしらべるとフリバコ(二千円)だった。
「こんなハシタ金!」
当時としては決してハシタ金ではなかったが、これっぱかしじゃ駄目だと俺が言うと、
「素敵ねえ。いいわねえ」
もとのオカマに戻ったような声で、
「やっぱし、あたしが惚れただけのことはある」
うるせえと俺はどなって、
「俺の、そのよけいなことをベシャリ(しゃべり)やがった親分の――ロクはブンコ(子分)だな」
「よくお分りで……」
「当り前よ。俺のことを知ってる親分となると、そいつは矢萩大蔵ときまってらあ」
「お見事……さすがにギラ(眼)が高い」
「おい、ロク。上海へ帰って、二万円ばかし矢萩からせしめて、すぐ俺んとこへ送ってこい」
二万円? と眼を丸めるロクに、
「そうだよ。送ってこなかったら、おめえのイノチはないものと思え。どうせ俺は上海へ乗りこんでくつもりだからな」
ロクは案外しゃあしゃあと、
「矢萩さんはあんたが上海の砂馬さんのところでワラジをぬぎさえしなかったら、そんな金ぐらい、喜んで出しますよ」
「そうかい」
そんならいよいよもってさきに金を貰おうじゃねえかと俺は言って、