轻松读懂日语经典作品
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页
「一天霖か」
俺の口からこんな言葉が洩れた。え? と四・五・六が言った。
「シナさんのあの淋病の薬はよく効くのかい」
と俺は言った。前の日、街の広告に売薬の名らしい一天霖という文字を見て、俺は丸万にあれは何かと聞いた。淋病のスリコ(薬)だと丸万は答えた。そのとき運転台にいた四・五・六はこの会話を耳にしていたはずなのに、
「淋病……?」
「照ちゃんの淋病はなおったかな」
四・五・六と照子との関係を探ろうとしたのである。すると彼は、
「旦那は淋病なんで……?」
明らかにバクれて(しらばくれて)やがる。
「旦那とは矢萩のことか。ロクさんにとっても旦那筋……?」
「それはこっちで言いたい科白だ」
「そうかねえ」
「どうなんで……?」
「矢萩が俺の旦那……?」
「ま、内輪ゲンカはやめましょう」
ネオンが毒々しく光っている。柯達の広告が俺の眼に映った。いや、外景描写に手間取るのはよそう。――
行ったさきは、愚園路の(とは、のちに知ったことだが)あるナイト・クラブだった。車を降りるとき、四・五・六が運転手に、
「や、ご苦労。帰っていいよ」
と言った。すると、それまでひとことも口をきかなかった、だから俺はてっきり中国人だとばかり思っていた運転手が、