轻松读懂日语经典作品
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页
「帰って、大将に報告しときましょう」
と言って俺をギクリとさせた。日本人なのだ。大将とは矢萩のことか。
「車を置いとくと――それでアシがついちゃ、まずいからね」
四・五・六がそんなことを俺に言った。そこには西洋館ふうの鉄の門があって、見たところ普通の住宅のようだった。門はあいていたが、古風な玄関の扉はしめられていた。扉をあけても、まだ遊び場らしいざわめきはなかった。中国人のボーイに案内されて、赤いじゅうたんを敷いた廊下を行くと、次第に爵士が聞えてきた。
奥のホールは照子のバーよりずっと狭いと見られた。暗いせいもあろうか。バンドを囲むようにしてテーブルが置かれ、そのテーブルの上に、筒型の白いくもりガラスのローソク立てがのせてある。光はそれだけの暗さのなかで、客がいっぱい、ひしめくようにしてフローアで踊っている。古めかしい狐歩舞だ。
ホールの隅に酒瓶を並べたスタンドがあって、そこへ四・五・六は行った。ホールとの間に衝立があって、向うからは見えないようになっている。四・五・六は皮酒を注文した。
「こう暗くっちゃ、大将がどこにいるのか分らない」
衝立のかげから、そっと俺はホールを見た。