轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
「文学界」1960(昭和35)年1月~1963(昭和38)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 292,113 字 · 587 页
そこがつまり吉原みたいなグレヤ地帯ならまだしも、普通の民家を接収したのがピー屋になっているので、よけい、すさまじさが際立つ。
町の中心から離れた場所で、人通りがすくないとは言え、中国人がニヤニヤしながら通って行く。小孩の群が、
「シーサン、好来西」
と手を出して金をせがんでいる。
「うるさい! 去! 去!」
と追っ払われても、すぐまたハエのようにたかってくる。
「こりゃ、驚いた」
と風巻が言ったとき、兵隊の列から、わっと歓声があがった。しどけない寝巻姿の女が奥を通ったのだ。それを眼にして、兵隊がどよめいたのである。
「これは、とても駄目だ」
と俺たちは退散したが、兵隊のすさまじさに何もこの俺はひんしゅくしたのではない。そんなふうに取られては迷惑する。俺が迷惑するんじゃなくて――そのときの俺は、ひんしゅくどころか、むしろそこに、ルツボのようにたぎる、あらあらしい生命の姿、なまなましい生命の躍動に感激していたのだ。つまりその生命の躍動が迷惑する!
「あのピー屋には一体、何人、ガセビリがいるのか……あんな大勢を、よくまあ、引き受けられるもんだ」
と俺が風巻に言ったときも、あきれた語調ではなかった。