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イデオロギーがいろん

イデオロギー概論

戸坂 潤

第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页

青空文庫

二

恐らくこうした形の研究に於てこそ、個性や独創も組織的に活用され得るだろう*。

* 拙稿「ソヴェート連邦の哲学」(『新ロシヤ』第三号)〔本全集第三巻所収〕参照。――なおその国に於けるアカデミズムとジャーナリズムとの積極的な結合は、ソヴェート連邦の新聞の諸機能を見ると判る。そこではニュースとテキストとが積極的に結合されているのが特色である。

二

数学に於けるイデオロギーに就いて。――数学は最も抽象的な科学だと考えられる、というのは、夫が第一に存在から最も離れており、従って又歴史的社会的制約を蒙ることが一等少ないと考えられる。多くの人々にとっては例えば数学の階級性などはあり得ない。7に5を加えれば12になるという関係は、プロレタリアにとってもブルジョアに取っても変らない真理だ、と人々は云うのである。で数学自身には――数学の応用や歴史はどうか知らないが――イデオロギーなどはあり得ない、と人々は考える。

それは一応そうである、ここかしこに無限に見出される数学の部分々々に就いては確かにそうである。だが、それで凡ての関係が竭くされるのではない。――数学に於ける根本概念=範疇は云うまでもなく他の諸科学の範疇と連帯関係になくてはなるまい、就中哲学的諸範疇と一定の共軛関係に立つのでなければ事実数学的認識は根本的には成り立たない