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イデオロギーがいろん
イデオロギー概論
戸坂 潤
第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页
二
知識のイデオロギー論は、イデオロギーの論理学を含まずには成り立たない。何故なら、イデオロギーという概念それ自身がすでに、それが知識に関する限り、真理と虚偽との関係を離れては無意味だったからである。蓋し知識としてのイデオロギーの特色は、一定の理由で、真理だと思われているものが実は虚偽であったり、又は虚偽だと云われるものが却って実は真理であったりするような、歴史的弁証法的なものなのだから。
マックス・シェーラーは彼の知識社会学から、歴史的原理を完全に追放する。かくて階級性は無論のこと追放される。このことは併し、同時に、その知識社会学から論理の問題を完全に閉め出すことを結果する。真理・虚偽の価値関係は閉め出される。
一般に知識社会学に於ては、歴史の否定は同時に論理の否定を意味するだろう、それを吾々は今シェーラーに於て代表的に見たのである。
二
問題が知識の問題であるだけに、知識社会学が具体的になればなるだけ、即ち歴史的原理を顧慮に入れるだけそれだけ、論理との関係が愈々益々問題となって来なければならない。この極めて判り切った今までの結論は併し、必ずしも充分の注意を払われてはいなかったようである。