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イデオロギーがいろん

イデオロギー概論

戸坂 潤

第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页

青空文庫

三

フロイト主義の批評は今や、マルクス主義に、社会心理学的研究を必要な問題として課すものだということになる*(勿論この際、フロイト主義自身が社会心理学――それが結局何でなければならないかは後にして――まで行き着くことが出来ないということは、少しも邪魔にはならない。却ってそうであればこそ、夫が問題として提出されるのである)。そして之は取りも直さず、吾々がこの章で中心にしている当の問題に外ならない。

* 「階級社会に於ては、社会心理学的研究が、根本に於て、階級心(Klassenpsyche)の探究として把握されねばならない。」(I. Sapir 前掲論文)。

三

吾々はブルジョア社会学――乃至心理学――で云う所謂「社会心理学」の問題へ移る。

ブルジョア科学に於ては、社会に就いては社会学があり、意識に就いては心理学が存在する。ブルジョア的世界観に於ける社会――ブルジョア社会――の概念と意識――個人的意識――の概念とは、吾々が最初に見た通り、容易に無条件に接合し得なかったにも拘らず、社会自身と意識自身とは云うまでもなく初めから密接に連関している。だから、ブルジョア科学に於ても、恰も、社会と意識とのこの連関を問題とする処の一つの科学が必要とならざるを得ない。