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イデオロギーがいろん

イデオロギー概論

戸坂 潤

第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页

青空文庫

因果律は彼によれば真理でも嘘でもないのである*。

* M. Planck, Der Kausalbegriff in der Physik, 1932, S. 11, 26.

さて、決定論も不決定論も、因果乃至必然性の概念を機械論的にしか理解していない、そして之を固持したり排斥したりしようとするのである。決定論とは機械論的決定論であり、不決定論はこの機械論的決定論の否定でしかない。――と云うのは、両者は、一旦バラバラに他から切り離されて孤立した個々の事象、を仮定しているのであって、決定論が之を機械的な因果必然性によって機械的に結び付けることが出来ると主張するに反して、不決定論はかかる機械的結合を拒もうとするのである。いずれの場合にも、必然性――因果――と偶然性とが機械的に、動かすべからざる固定的な区画によって、対立せしめられている。

だが実際には、他から孤立した、その意味に於て絶体固定化された個々の事象などはないのであって、如何なる個々の事象であっても常に他の事象との連関――交互作用や対立――に於てしか存在せず、又そういう連関に於てしか把握されない。