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イデオロギーがいろん
イデオロギー概論
戸坂 潤
第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页
物理的化学的構造はそうしたモメントの一つだったのである。生命現象の有つ固有法則性は、生命に至るまでの自然の時間的蓄積に相当する。この歴史的経歴を抜きにして、直接に単なる物理的・化学的原理だけで説明しようとしても、それが無理だということは、だから極めて当然ではないか。――でこう云う意味で、生命は、少くとも機械論的にでなく、又機械論的な生気説によってでなく、正に弁証法によって把握される外に道を残さない。新物理学の進歩と並行するためにも、生物学はこの途を取らざるを得ないのである。
自然史的発展のこの弁証法的な理解は、種の起源に就いて云えば取りも直さず進化論の思想となって現われる。反対に云えば、進化論の本質――それは自然史の弁証法的認識である――は当然に、生命のこうした弁証法的な理解にまで導く筈だったのである。――吾々は物理学に於ける不決定論の問題と、生命に関する生気説の問題と、更に種の起源に関する進化論の問題とが、期せずして、(唯物)弁証法というイデオロギー性格によって、一貫して連絡を与えられたことを、注意しなければならない*。
* 以上の点に就いては拙稿「生物学論」