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イデオロギーがいろん

イデオロギー概論

戸坂 潤

第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页

青空文庫

* 普通、哲学概論式な概念によれば、形而上学的とは「認識論的」又は「現象学的」に対立する。だが吾々によれば、単に存在の意味の解釈を与えることに終始し、従って存在の意味の秩序を以て存在そのものの秩序と思い誤る処の、理論的方法が、形而上学的である。

併し有力なそして又実際尊重すべき従来の観念論の或るものによれば、意識の概念はすでに略々今云った意味に近い点にまで引き寄せられていないのではない。超個人的意識は歴史的意識として、個人を超越せしめられる。歴史を遍歴する処の理念として、歴史的伝統の主体である精神(例えば客観的精神)として、又歴史的理性として、――人々はヘーゲルやディルタイ等を考えるべきだ――、それは鮮かに個人を超越する。例えばフィヒテに於ける(個人の)経験的意識から純粋自我の超個人的な(?)意識への超越は、決してこのように鮮かではない。と云うのは後者の場合に於ては、その所謂超個人的意識が、個人の意識からの形而上学的な超越の結果であったために、依然として個人的な意識の範疇の外へ出ることが出来なかったが、前者の場合は之と異って、個人的意識が実際に超個人的な意識にまで超越したと、一応は見られねばならぬのである。