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イデオロギーがいろん

イデオロギー概論

戸坂 潤

第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页

青空文庫

にでもイギリスにでも、ロシアへでもイタリアへでも日本へでも、適用することは出来る。それにも拘らずドイツのものは依然ドイツのものであり、ドイツに特有なものである。――一体、文化という概念はドイツ固有のものだと考えられて好い、文化批判の哲学や文化哲学やの故郷は、ドイツに於てしか見出せないだろう。精神 Geist の概念――之はドイツ人にとっては文化の概念と切っても切れない縁がある――は併し、より一層ドイツ的である。それはゲルマン民族の、或いはもっと正確に云えば、最も純粋なゲルマン民族ドイツ人の、本質としての、民族精神の謂である*。ヘーゲルこそはゲルマーネン哲学の代表的な最後の組織者であったが(後を見よ)、恰も彼によれば、世界史はゲルマン民族の民族精神実現のための遍路に外ならなかった。その意識に於ける表現がそしてかの『精神の現象学』だったのである。文化の概念は、ゲルマン民族精神と切っても切れない関係に置かれている。文化と精神とは(民族も入れていいが)全く一続きの範疇をなしている。

* 愛国哲学者フィヒテの如きは、ドイツ語がラテン語から最も注意深く純粋に保たれているのを理由として、ドイツ民族が最も純粋なゲルマン人であることを証明する(Reden an die deutsche Nation ※(ローマ数字4、1-