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イデオロギーがいろん

イデオロギー概論

戸坂 潤

第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页

青空文庫

文明過程は云わば直接的・積極的な進歩をなす。多くの実証主義者が信じた通り、――コントとスペンサーはヴェーバーの好敵手である――、文明の運動過程は進化なのである(所謂進化理論はただこの点にのみ当て篏まる)。こういう運動法則に従う文明の世界には、人間の――物質的――生活の一定の目的に役立つべく存在を変容し形成する処の、技術手段が与えられている、之は合目的的・実用的・な領域である。こう云ってヴェーバーは文明を特色づける*。

* 以上は Prinzipielles, S. 11, 12, 21, 23, 29, 42, ……及び Ideen, S. 3 ……を見よ。

併し精神的・文化的・であるべきであった歴史の過程を、一概にこの文明の概念によって律しようとすることは、ヴェーバーによれば進化論者・実証主義者の根本的迷蒙である。それは人間の精神的存在の単なる半面をしか知らない者の考えに過ぎない。彼等は文化の概念を少しも理解していない。処が文化こそ優れて精神的・歴史的・な精髄でなくてはならなかった。

文化は文明と異って、非合理的である、それは知性の所産ではなくて全人格の感情の所産であった。