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イデオロギーがいろん

イデオロギー概論

戸坂 潤

第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页

青空文庫

それであればこそ、第一義的に見て大して存在理由のなさそうに見える形式社会学も相当な存在理由を見出すことが出来るのであった。丁度、総合社会学が存在し得られそうに見えながら、必ずしも存在し得るとは限らない、と反対に。

さて知識の社会学――それは社会学の本来の領域でもあった――も亦従って、知識という社会的存在から歴史性=階級性を天引きすることによって、合理的となることが出来る。実際、予め知識からその歴史性――歴史的原理――を引き去っておけば、後は安心して自由に、恐らく天才的に、歴史的事実を引例することも出来るだろう。マックス・シェーラーの知識社会学は、この要領を見逃さなかった最も代表的な場合である。

正にシェーラーは、コントの社会学から、その歴史的原理を完全に引き去るためにこそ、コントのかの歴史三段階説(尤も之はすでにサン・シモンにあるのであるが)を批難することから始める必要があった。それがミルやスペンサー等に関わると、マッハやアヴェナリウス等に関わるとを問わず、コントの実証主義に帰着する三段階説は、彼によれば「根本的に誤っている」のである。三つのこの段階は、科学発展の歴史的な順序に於ける段相を意味すべきではなくて、実は元来、人間精神の本質と共に与えられた三種類の永劫な精神態度と認識形式なのであるから、例えば