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イデオロギーがいろん

イデオロギー概論

戸坂 潤

第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页

青空文庫

尤も、神学とは歴史的に与えられた特殊の体験――信仰という――を解明又は基礎づけ又は擁護する学問なのだから、単なる形而上学とは根本的に別である、と云うかも知れないが、併し形而上学こそ、歴史的に与えられた特殊の体験の、解明・基礎づけ・擁護・ではないか。ただその特殊な体験というのが、必ずしも宗教的な信仰ではないというまでである。而もそれすらが殆んど凡ての場合宗教的ではないだろうか。人々は今日、一切の形而上学に神学を見出すことが出来はしないか*。――そしてシェーラー自身がその好い一例に外ならなかった。

* コントの所謂三段階説は、実は二段階説なのである。何故なら、人間の知識は神学的な段階から実証的な段階に移行するというのがコントの根本的な思想なのであって、ただ之が一遍で移行出来ないために、中間の過渡期として、形而上学的な段階が※(「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28)入されるに過ぎないから。――それ故コントにとっても、形而上学とは、実証科学に成り切れない内の神学的残滓を意味するわけである。こう考えて見ても、形而上学の内に神学が見出されるのは当然である。