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イデオロギーがいろん

イデオロギー概論

戸坂 潤

第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页

青空文庫

となるのだからである。パレートの知識社会学が或る意味に於て――但し行動を問題とするという意味に於てのみ――ともかく実践的原理を有つ所以である。之は無論シェーラーなどには欠けている一つの原理であった。

恰も前に、知識の歴史的規定が限定されて行けば行く程、同時に知識の論理的規定が愈々限定されて行く、と云ったことに相応して、今、知識の実践的規定が同時に知識の論理的規定を意味するだろうことは、そうありそうなことである。実際、その関係は彼に於て、次のような形で現われる。

(A)を人間の内部的な心理状態とする、之は歴史の一切の変化を通じて不変な人間固有の常数である。之は云うまでもなく論理的ではない処の、非論理的な残留物である。

(B)は(A)に基く処の、外部的な行動の過程であるとする。

(C)をそして、かかる(B)の、言葉=論理による是認・理由づけ・権利づけであるとしよう。

そうすれば、前の所謂、非論理的行動は必ずA→B→C(又は結局同じことに帰着するがA→C)という構造を、それの単位とするものである。と云うのは、人々は先ず第一に一定の意識(A)を持つことによって、第二に之に基いて行為し(B)、自己のこの行為を第三に合理化・正当化す(C)、という順序によって、その行動――之が非論理的なのである――を終結することが出来る*