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イデオロギーがいろん
イデオロギー概論
戸坂 潤
第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页
併しすでに吾々も見たように、この点はまだ必ずしも彼等によって徹底されたとは云われない。何故ならデュルケム達が明らかにしたのは、単に認識がその歴史的発展過程に於て見られねばならないということにしかすぎず、その発展過程がどのような特定の方向に向って行なわれるかをまだ必ずしも説明していなかったからである*。之に反して、イェルザレムに於てはこうである。人間の思惟は「社会的凝結」を以て始まる。人間は初め全く、その生活を従って又その精神を、社会によって束縛されたものとして有っていた。そこで、人間生活が群畜生活を抜け出す時初めて、社会的分化によって独立な人格が出来上る時初めて、人間はこの社会的凝結を抜け出て、事実と法則との客観的な認識を有つことが出来るようになるのである**。人間が社会的な束縛から解き放たれることによって初めて人々は理論的に物を考えることを学び、従ってこの時初めて凡そ科学なるものも成り立つことが出来る。このようにして社会的束縛から解き放たれることは併しながら、人間が孤立することを意味するのではない、人間は、個人的な独立を得ることによってこそ、却って初めてコスモポリタンとしての普遍性を持つことが出来る。