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イデオロギーがいろん
イデオロギー概論
戸坂 潤
第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页
先にコント知識社会学の歴史的段階の原理を再生したように見えたイェルザレムは、今度は又コントに於ける真理―虚偽の論理の問題を、とに角復原したかのように見える。
* 彼は自分の知識社会学の課題を「人間理性の社会学的批判」と呼んでいる。之は云うまでもなくカントの『純粋理性の批判』に比較するためである。
デュルケム達によって回避されたコントの歴史的段階の理論と真理概念の問題とは、イェルザレムの認識社会学に於て、再び受け継がれたかのように見えた。併し断定を急いではならぬ。
コントに於ける人間精神の三つの発展段階は、単に直接に人間一般の精神の夫であるというばかりではなく、同時に夫々が社会的な階級に相応する処のものであった。夫は全く政治的な意味によって規定された三つの段階であった。人間精神の発展が政治的乃至政治学的に把握されていたのであった。処がイェルザレムに於ける人間精神のかの歴史的発展は、云うまでもなく少しも政治学的に規定されてなどはいない、人間が単に社会的な凝結から解き放たれて次第に個人化して行くという関係には、何の政治も在り得ない。そこには全く――政治学から区別された処の――社会学的なものしか存在しない。