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イデオロギーがいろん
イデオロギー概論
戸坂 潤
第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页
・ライプニツの「モナド」・カントの「無上命令」等々となる。恐らくフィヒテの自己意識である「純粋自我」は、このような意識の概念の最も代表的なものであったと考えられる。個性的自由の有つ自己(自我個人的)意識――自覚――こそが、今日の意識概念の代表的なものである。意識とは今日、個人的意識を意味することが普通となっている、とそう一応云っておいて好い。
処で恰も、この個人的意識が、かのブルジョア社会に於て、特有に重大な役割を有っていることを注意すべきである。と云うのは、個人的意識の――個人の――自由はブルジョア社会にとっての、時には幸福な又同様に時には不幸な根本原理として、意識されるからである。個人の利益は、時には見えざる手によって国家(common-wealth)――ブルジョア的共有財としての社会――の利益にまで導かれると考えられ、又時には之に反して、恐慌その他の形を取って社会に重大な不利益を齎すものと考えられる。ブルジョア社会は個人の自由を、個人的意識の自由を、要するに意識を、その原理として意識する。だからブルジョア的生活意識乃至世界観からすれば、それが社会とは個人――それが意識の所有者だと考えられる――という原理を法とする割り切れない剰余に過ぎなくなる。