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イデオロギーがいろん
イデオロギー概論
戸坂 潤
第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页
物質的生産力乃至生産関係――経済関係――に結び付けられて初めて、意識(精神)は真正の意味での唯物論的取り扱いを受けたことになる。歴史はこの生産関係の内部的必然的発展に基づいて初めて統一的に発展段階を与えられるが、意識乃至精神も亦、社会のこの物質的地盤に結び付けられて理解されることによって、同時に歴史的なものとして把握されることが出来る筈なのである。処が之を単純に生理学的・生物学的基礎に立たせることは、却って意識(精神)――又生命――を歴史的なものとして理解することを妨げる。なる程フロイト主義によれば、精神(生命)を強制するところの社会は、一応云うまでもなく歴史を有つと考えられていないのでないが、その歴史性自身が物質的地盤から独立して抽象化されているから、観念的なものになって了っている。歴史が云わば生命自身に喰い入った処のものとも云えよう遺伝――これはフロイト主義で重大な役割を有っている――であっても、全く生物学的範疇の外へ出ない偽似の歴史性を持つに過ぎない。まして人間の衝動は、かりに夫が永久不変なものではないと考えられても、まだ何の積極的な歴史性を有つものでもない。