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イデオロギーがいろん
イデオロギー概論
戸坂 潤
第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页
意識は、近世に於ける資本主義的な個人の自覚によって初めて公然と哲学の日程に上ったのではあるが、それよりも前に、すでに人間の宗教的な内面性の観念と同伴して、哲学の問題にまで提出されていたのである。尤もそれが哲学に対する殆ど完全な支配権を得たのは近世以来のことであると云って好く、又同じ近世に於てもその支配する形態は様々であるが、――例えば表象として自覚として自我として理念として等々――、吾々はその終局の起源をヘブライ思想が哲学体系にまで組織化されたこの時期に求めねばならぬだろう。
処で更に、これ等の意識の哲学が、観念の哲学としてみずからを特色づけることによって、哲学史上の生存権を得ることが出来た、この点を注意せねばならぬ。そして観念の哲学――それは観念の問題から出発する――は、今云ったヘブライ思想に先立って、ギリシア思想の代表的な伝統の一つに外ならない。と云うのは、夫はプラトンの世界観によって後々の不抜な思想体系のための礎石として置かれたのである。聖アウグスティヌスも近世に於けるカント又ヘーゲルも、観念の問題から出発する観念の哲学としてである限り、全くプラトニズムの範に従って出来上った。