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イデオロギーがいろん

イデオロギー概論

戸坂 潤

第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页

青空文庫

云わばそれはエンサイクロペディックな特徴を有って来る。常識とは実際そういうものではなかったか。――元来ジャーナリズムは常に話題(Topik)に上り得るものでなければならない。話題とは凡ゆる部門的な分科的な事物が、言葉という共通な場処(Topos)をめざして集まることを示唆する言葉である。この集まる場処は市場の外ではなく、そこで一切の知識が交換され(ニュース・評判)、訂正総合され(議論)、又誇張されたり捏造されたりする(虚偽)。かくて常識――ドクサ――が養成される、神話や世論が出来上るのである*。やがてここで又範疇――之は公衆に向って語ることを意味する言葉で市場と語原を同じくする――が発生し、論理が構成され、理論が出来上る。之が哲学的世界観に外ならない。哲学は常識のものであり、ジャーナリズムのものである。

* フランシス・ベーコンの『市場の偶像』を参考せよ。

ジャーナリズムをこう規定すれば、之に対立するアカデミズムは割合簡単に決定出来る。アカデミーという言葉が、アカデメイヤに建てられたプラトンの学壇から起こったように、アカデミズムは教壇という特殊な――一般的でない――社会的存在条件を仮定している。