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イデオロギーがいろん
イデオロギー概論
戸坂 潤
第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页
分科的諸科学は、自然や歴史的社会に就いて、之を直接な生まな材料として、ひたすらに探究する、それは必ずしもこの直接で生まな材料に基く諸探究を総合したり媒介したり秩序づけたりしない、要するに必ずしも批評しないのである。――以上のことは、ジャーナリズムが常識のものであり、之に反してアカデミズムが専門のものであったことからも、至極自然に理解出来る。
だが無論のこと、この批評性の機能と実証性の機能とは、単に今云ったように区別対立しているだけではなくて、至極複雑ではあるが、併し一定の連関関係に這入っていなくてはならない。二つのものは実は、一つのイデオロギーの二つのモメントに外ならなかった、単なる批評もなければ単なる実証もあり得ない、在るものは何かの形態に於ける両者の結合でしかない。
文学の制作は一つの実証である、それは他人の制作した作品を品隲するのではなくて、自ら生活材料を整理して形を与える処の一つの実証的な探究である。この制作は併し実は、その制作者のそれ以前の制作に対する批評を無視していなかった、ということを今注意しなければならない。この制作は批評から、この意味に於て一続きのつながりを有っていたのである、もしそうしなければ、制作の客観的な進歩は恐らく望み難いだろう。