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イデオロギーがいろん

イデオロギー概論

戸坂 潤

第四章 文化社会学の批判「文化社会学」同文館、1932(昭和7)年4月5日<br>第五章 知識社会学の批判「思想 第101~103号」1930(昭和5)年7月28日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,000 字 · 316 页

青空文庫

でこの点は恰も一般に科学にとっての基礎概念――心理学では夫が意識である――が、もはや単純には科学にだけぞくし得ない処の常識的な日常概念と接触している最もデリケートな活き活きした点である、ことを告げている。実際、意識という概念は、それが専門的な心理学者によってどう決定され又どう是正されようとも、それとは可なり独立に、世間的に、常識的に、併し定義すべからざる厳密さを持った一定概念として、通用しているのである。

殆んど総ての概念がそうであるが(例えば感覚は心理学的に云えば一つの単純な心的要素に過ぎないが日常的には認識・判別・批評的判断・性格的能力・などの極めて複雑な力を意味する――センス)、専門的な概念――夫はやがて術語となる――は他方に於て日常的な概念と平行し複合しているのを常とする。と云うのは科学的諸概念は元々常識的な言葉から洗練し出されたものに外ならないからである。

処で、意識が、心理学的な、或いは最も著しい場合を採るのが好都合とすれば実験心理学的な、概念であると共に、同時に吾々が日常用いている一つの常識概念でもあるということが、この概念の色々な困難を用意する。