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ちょうさきかん
中井正一評論集
中井 正一
中井正一『中井正一評論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:調査機関、図書館に生きる道、図書館の未来像、二十世紀の頂における図書館の意味、脱出と回帰、探偵小説の芸術性、芸術の人間学的考察、美学入門、絵画の不安、スポーツの美的要素。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 129,229 字 · 256 页
身分の空間
四千年もの間、彼らはかかる生活をなして、かかる空間意識を決定したのである。深く巨大な諦観とでもいうべき畏れの空間の意識を決定したのである。
世界の隅々に、いろいろな形で存在した奴隷制の意識、それを彼らは空間の中に、一つの徴しとして、画然と地上に置いて去ったのである。われわれは、この造型を通して、彼らの生活への嘆息にじかにふれることができるのである。
私たちはこれを「虚なる空間への畏れ」とでも呼んで置きたい。
身分の空間
原始共産体崩壊より奴隷制に推移したギリシャ人は、異なった形で空間を意識しはじめている。奴隷制の類型がエジプトとは異なっていたからである。リーグルは、ギリシャの彫刻において初めて内面的寂寥が出現すると述べている。獲てきた食物をみんなで分けあって食っていたわけ前(モイラ)――後にはそれが運命という言葉の意味をもってきたのであるが――がもはや協同のものではなくして、自分一人のものとなる時、人々は、生活の外側を包んでいる無限なる空虚あることへの驚きがギリシャの彫刻の歴史の意味となってくる。エジプトおよびアッシリヤの外なる世界、虚なる空間に力づよく反発する彫刻と対比して考える時、その感を新たにせしめられるのである。