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ちょうさきかん

中井正一評論集

中井 正一

中井正一『中井正一評論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:調査機関、図書館に生きる道、図書館の未来像、二十世紀の頂における図書館の意味、脱出と回帰、探偵小説の芸術性、芸術の人間学的考察、美学入門、絵画の不安、スポーツの美的要素。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 129,229 字 · 256 页

青空文庫

高等なものと下等なもの

すでに、現代の心理学は、意識のない心理学とよばれるほど、意識はその根底をゆるがしている。ことに「感情」が知覚の中に没すると論じている学者も現われている。このように、精神科学の全体的基礎は、この意識の問題を中心にして無気味な危機に襲われているのである。

この意識の三分説のたどった歴史を顧み、そして意識が解体した後、人々はいかに三分説を組みあわせたかを考えてみよう。

高等なものと下等なもの

まず意識の三分を最もはやく試みたのはプラトンである。彼は精神現象を三つの基礎的なものに分けている。「意欲的」なもの、「激情的」なもの、「理性的」なもの、この三つである。しかもこの三分は、社会階級の三つの階級のそれぞれの世界観の反映であったのである。第一の、「意欲的」なものとは、牧畜民、農民、職人、商人などの生産的な働きをしている人々の世界観で、彼らは奴隷であり、おもに南方の民族、フェニキア、エジプト人のもつ心情である。第二の「激情的」なものは、武士階級で、北方野蛮人のもつ世界観である。第三の「理性的」なものこれが支配階級としてのギリシャ人の世界観である。この三つの精神層はたがいに闘争しているのである。