轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ちょうさきかん
中井正一評論集
中井 正一
中井正一『中井正一評論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:調査機関、図書館に生きる道、図書館の未来像、二十世紀の頂における図書館の意味、脱出と回帰、探偵小説の芸術性、芸術の人間学的考察、美学入門、絵画の不安、スポーツの美的要素。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 129,229 字 · 256 页
回帰をささえるもの
弓絃に偶然ふれた、渓谷の原始人の愕きよりはじまった音楽も、今は一人一人の芸術家にはマネージャーと称するブローカーがついていて、大劇場、また映画会社との契約金の大きなメールストルームの渦巻の中に、眩めく思いを、みんなしているのである。
娯楽は、なるほど一応生活よりの脱出である。しかし、時代はいつも、この人間の脱出の道を心得て、その道筋に「わな」をかけるのである。それが歴史の狡智である。
映画、レコード、ラジオ、新聞とのタイアップが、時には、その「わなの道」に人間を追い込み「利潤対象としての大衆」すなわち「ミーちゃんハーちゃん族、アロハアンちゃん族」を創造することすら、あえて辞さないのである。
生活よりの遊離は、実は宇宙の秩序の創造の探求であり、それは、実は人間性の本質への回帰であるべきであったのに、流離より流離へと、はてしもなき迷路が、娯楽の世界を支配している。いつになったら、人々は、アリアドネの糸をたどって、そのもとの入口に帰っていきはじめるのか。
回帰をささえるもの
ゲーテがディレッタントのことを評して、何でも自分が練習すれば上達しうるものであると思っているもののことであるといっているのは、注意すべき言葉である。