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ちょうさきかん
中井正一評論集
中井 正一
中井正一『中井正一評論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:調査機関、図書館に生きる道、図書館の未来像、二十世紀の頂における図書館の意味、脱出と回帰、探偵小説の芸術性、芸術の人間学的考察、美学入門、絵画の不安、スポーツの美的要素。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 129,229 字 · 256 页
金融的な体制をととのえていった時代である。あらゆる機構が商品化された時代である。この商品化された巨大な流れの中に、ローマ法王からのがれて、新大陸にメイフラワー号で上陸した人々から生まれでたアメリカが一九五〇年代にいたって、世紀の新しい担い手となってくるということを、幾人の人が予見しえたであろう。
これまでの世界の支配には、何か固有名詞、すなわち一ないし数名の英雄の名前がしるされていたのであるが、一九五〇年のこの変革にはめだつ固有名詞がないのである。むしろ、大いなる機構が、その変革をおこないつつある。そこに機械時代とでもいわれるものの本質があるのである。人間が機構を支配するか、機構が人間を支配するかという不安を感じるところまで、時代が移り変わっているのである。
このような機構そのものの推移に、理論がどのように歩調をあわせてきたかを顧みる時、まず個人としての世界の観察者、また契約の主体としての主観の発見者、カントを思い起さずにはいられない。
さきにものべたように、ドイツは英国の商業体制に対しては一七四〇年ごろから追いつく姿勢をとり、一八三〇年から四八年、七〇年と躍進して、普仏戦争を境としてやっと欧州の水準に達したのであるが、カントの体系にも、この歴史的条件がみごとにあらわれている。