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ちょうさきかん
中井正一評論集
中井 正一
中井正一『中井正一評論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:調査機関、図書館に生きる道、図書館の未来像、二十世紀の頂における図書館の意味、脱出と回帰、探偵小説の芸術性、芸術の人間学的考察、美学入門、絵画の不安、スポーツの美的要素。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 129,229 字 · 256 页
人の一つの行為が、その内面に無限なる群の(否定の否定、さらに無限なる否定としての)行為を胎むこと、その限りない集合、そこに存在の原現象がその相を露わにする。一つの「行為」とその「忍苦」、そこに存在の一角の暴露がある。引きゆがめられた微笑をもってそれを親しく嘗めるスポーツの内奥の愉悦は、その秘かな喘ぎ、喘ぎ、喘ぎの喜悦である。
一本一本のオールを流さないこと、誤魔化さないこと、それはむしろ、いわるべき言葉ではなくして筋肉によって味覚さるべきものである。疲れ切った腕がなおも一本一本引き切ってゆくその重き愉悦は、人生の深き諦視の底の澄透れる無心にも似る。
その無心性は、よき練習と行きとどいた技術の「冴え」をもたらすものである。オールあるいは水に身を委ねた心持、最も苦しいにもかかわらず、しかも楽に漕げる境、緊張し切った境に見出す弛緩ともそれはいわるべきものである。あるまま思い切り行為して、しかもあるべき則にはまってゆく心よさである。いわばそれは、「コツ」、「気合の冴え」ともいうべきものである。この境の会得は一回にして、しかも常にある種の香のごとく、湧然とゲームの始終にまつわるものであり、忘却の底に念々絶ゆることなく働きかくるところのものであり、そして働きかくることによって、その忘却の底に自ら成長し、太り、熟し、