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ちょうさきかん
中井正一評論集
中井 正一
中井正一『中井正一評論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:調査機関、図書館に生きる道、図書館の未来像、二十世紀の頂における図書館の意味、脱出と回帰、探偵小説の芸術性、芸術の人間学的考察、美学入門、絵画の不安、スポーツの美的要素。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 129,229 字 · 256 页
脱出と回帰
一つの神話
遊離の学説
一つの神話
日本の伝説の中で、光の美しさを描いているものでは、何といっても、手力男の命が、あの巌壁を開く時、さしはじめる光の、あの強烈な感じの右に出るものはあるまい。あの伝説、暗さへの没入、それからの回復、この構成の中に注意すべき二つの要素があると思われる。第一は、その光の源である脱出の女神が、巌壁の中でその孤独と、寂寥に堪えがたい時、金鵄の命はそれを慰めんとして、弓五張を並べて、音階的な配列で、かなでたというのである。第二は、巌壁の外で、大衆が、神集いにつどい、大論争をし、ついに、衆議一決、天鈿女の命というアフロディテをして、ほとも露わに、ストリップの大騒ぎをすることにするのである。
私は、五張の弓の寂寥をきわめた音と、外のこの大衆の哄笑の二つとも、娯楽のもつ姿を、みごとに浮彫りにしているように思うのである。
ミトスはいつも、哲学的なものを、民族の血の中から人々に伝えているといわれるが、ここでも、また、何かそんなことを感ぜしめられるのである。
遊離の学説
娯楽が、いつも、テーマになる時、ある学者は、現実よりの切断、遊離、転換、放出、脱出を説くのである。