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ちょうさきかん
中井正一評論集
中井 正一
中井正一『中井正一評論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:調査機関、図書館に生きる道、図書館の未来像、二十世紀の頂における図書館の意味、脱出と回帰、探偵小説の芸術性、芸術の人間学的考察、美学入門、絵画の不安、スポーツの美的要素。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 129,229 字 · 256 页
探偵小説は一種の理知的ゲイムである。むしろスポーツである。犯人をきめるのは、論理的帰納法にあらねばならない。偶然とか、単純な一致とか何の動機もない自白などで決めてはならない。そして、犯罪は必ず自然主義的な方法で解かれねばならない。読心術、交霊術的直観で解いてはいけない。そこには、ただ一人の探偵――すなわち帰納法の唯一の立役者――「機械から生まれた神」がなければならない。そしてむしろ、長い説明、余計なことについての感傷描写、巧みにつくりあげられたる性格解剖などには犯罪と帰納との記録に何の生命もあたえない。アクションを止めるばかりでなく、結論の邪魔にさえなる。
かかるヴァン・ダインの考えかたによるとするならば、探偵小説は全篇機械より生まれたる神の主宰する一つの帰納論理の集合である。
論理の構成がなぜ小説となりうるか。ここに探偵ものの構造の興味が集まる。
科学的報告のもつ興味も一つの結論を見いださんとする文章の過程である。巧みなる文章をもってせられたる論文は一つの散文詩であることがある、――ヘーゲルの現象学が一つの概念詩であるといわるるそれのごとき――。