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ちょうさきかん
中井正一評論集
中井 正一
中井正一『中井正一評論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:調査機関、図書館に生きる道、図書館の未来像、二十世紀の頂における図書館の意味、脱出と回帰、探偵小説の芸術性、芸術の人間学的考察、美学入門、絵画の不安、スポーツの美的要素。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 129,229 字 · 256 页
二つの型をもたしめるのである。このように、空間は、生きているものである。空間の中に、人が生きているのではなくて、生きていることが、空間なるものをいろいろの姿に歪めたり、ゆがめたりするのである。それが、民族のいろいろの芸術の姿となって現われてくるのである。
東洋では、この空間を、どう取り扱っているだろう。インドの仏教を、いろいろの姿で取り入れてきた、中国、日本の建築を見ると、ある共通性がないとはいえない。
例えば、インドの浄土教に現われている、如来の願い、五十三の仏たちもが、人類のために願ったという願いを考えてみる時、あの五重の塔のように、幾つもの屋根を貫いて、天に向って願いを貫いている、仏教建築のように、やはり願いの姿勢を、そこに現わしているともいえる。
しかしまた、法隆寺の柱に見られるところの、ギリシャ建築と、同じエンタシス(柱のふくらみ)を考えると、重さを深く耐える、深いあきらめの魂の思想もまた、その影響を見のがせないのである。
日本の建築は、仏教建築というよりも、むしろ、伊勢神宮に見られるような、あの建築、桂の離宮に見られる茶室の建築が、最もそのほんとうの姿勢を現わしているともいえるのである。